この記事の結論
・迷ったらドーム型。安くて設営しやすく、失敗が少ない定番です
・天井の高さより「寝る広さ」。テントで過ごす時間のほとんどは寝ている時間です
・広さは「マット幅60cm×人数」がインナーに収まるかで判断します
・耐水圧1,500mm以上なら一般的なキャンプの雨は大丈夫です
・ロッジ型の一部は床もインナーもない「シェルター」。そのままでは寝られないので要注意です
キャンプと言えば、テント泊。テントで寝ることが最大のイベントですよね。子どものころにあこがれた、秘密基地や隠れ家で寝るような非日常感がたまりません。この感覚は、今どきの子どもにもちゃんと伝わります。
そんなキャンプの代名詞のテントですが、選ぶときは居住空間を優先して、より大きいものを選びがちです。
でも実際のキャンプ生活を振り返ると、テントの中にいる時間のほとんどは寝ている時間です。日中はタープの下やテントの外で過ごすので、「中で立ったまま移動できる」ありがたみを感じるのは、1日のうちほんの一瞬(体感で20秒くらい)です。
縦方向(天井の高さ)はほどほどに。人数分が寝られる床面積があれば十分——これが何度もキャンプに行って感じた、実際のところです。
大きいテントは重く、設営に時間がかかり、車の荷室も圧迫します。はじめての1張りは「大は小を兼ねる」ではなく、「ちょうどいい大きさ」を狙いましょう。
この記事では、テントの5つの種類と、失敗しない選び方(広さ・耐水圧・素材)を、具体的な製品のスペックと一緒に紹介します。
テントの種類|5つのタイプと向いている人
テントは形によって、設営のしやすさ・広さ・重さがまったく違います。まずは5つのタイプの特徴をつかんでください。
ドーム型テント
特にこだわりがなければ、ドーム型テントを選ぶといいでしょう。数本のポールを弓のように曲げて交差させ、生地を吊り下げて立てるのがドーム型です。
ドーム型の特徴
◎ 構造がシンプルで、はじめてでも設営しやすい
◎ 種類が多く、価格も手ごろ。選択肢がいちばん豊富
◎ 自立するので、設営後に場所の微調整ができる
△ リビング空間は別にタープが必要
メーカーも種類もいろいろあり、「値段の差は何?」と疑問に思う方が多いと思います。差が出るのは主に次の4つです。
💴 テントの値段の差はここに出る
①生地:厚さ(75Dなどの数字)、耐水圧、UVカット、難燃加工の有無
②縫製:縫い目の防水処理(シームテープ)の丁寧さ。雨漏りに直結します
③ポール:アルミ合金は軽くて折れにくい。FRP(グラスファイバー)は安いが重く、寒いと割れやすい
④付属品・機能:ベンチレーション(換気口)、前室の広さ、付属のペグやハンマーの品質
春夏キャンプがメインなら、通気性(メッシュ・ベンチレーション)を重視したほうが快適です。夏のテント内はとにかく暑くなります。
定番の例:コールマン タフドームⅥ/3025
・定員:4〜5人用
・インナーサイズ:約300×250×高さ175cm
・重量:約9kg
・耐水圧:フライ約1,500mm/フロア約2,000mm
・メインポール:アルミ合金
「3025」はインナーの300×250cmのこと。大人2人+子ども2人のファミリーにちょうどいい、ファミリーキャンプの定番中の定番です。
ツールームテント
テントとタープが一体になっているのがツールームテントです。寝室(インナーテント)と、屋根のあるリビングが1つの幕でつながっています。
ツールームテントの特徴
◎ タープを別に張らなくていい。設営が1回で済み、持ち物も減る
◎ 雨の日に強い。濡れずに寝室とリビングを行き来できる
◎ 区画サイトでもテント+タープより省スペースに収まる
△ 重くて大きい(10kg以上が普通)
△ テントとタープの位置関係が固定なので、レイアウトの自由度は低い
レイアウト性に少し難ありですが、ファミリーで区画のオートキャンプサイトをメインにしているなら最強と言っていいでしょう。特に雨のキャンプでは、ツールームのありがたみを強く感じます。
ツールームは「寝室の広さ」を必ず確認
ツールームは幕全体が大きくても、寝室は意外と小さいことがあります。たとえば下のコールマン ルーミーフロントツールームは全長約490cmありますが、寝室は約240×180cmで、メーカー表記は2〜3人用です。4人家族なら、4〜5人用の寝室があるモデルを選んでください。
例:コールマン ルーミーフロントツールーム
・定員:2〜3人用
・本体サイズ:約490×260×高さ170cm/寝室:約240×180×高さ122cm
・重量:約10kg
・耐水圧:フライ・フロアとも約2,000mm
夫婦2人や、親子2〜3人のキャンプにちょうどいいサイズ。リビング側の入口が広く、キャノピーポールで前に張り出せます。
ワンポール型テント
SNSで一気に流行ったのがワンポール型テントです。中心に立てたポール1本で幕全体を支える、三角屋根(ティピー型)のテントです。
ワンポール型の特徴
◎ 見た目がおしゃれで、サイトで目立つ
◎ ポールが1本なので、慣れれば設営が早い
△ 真ん中にポールがあり、壁ぎわは天井が低い。表記人数ほど広く使えない
△ 自立しない。ペグを打たないと立たないので、地面が硬い・柔らかすぎるサイトは苦手
△ 入口が斜めで、雨の日の出入りで雨が吹き込みやすい
見た目・目立ち度は最強なのですが、なにせ床が円形(または多角形)で中央にポールがあるため、利用人数を選ぶテントです。ソロ〜夫婦2人で使うと、ちょうどいい広さになります。
例:DOD ワンポールテントRX(M)TC
・定員:最大大人4人
・サイズ:約300×300×高さ210cm(正方形の床)
・重量:約8.7kg
・生地:TC(ポリエステル65%・綿35%)。インナーテントは別売
床が正方形なので、円形のワンポールより隅まで使いやすいモデルです。TC生地は火の粉に強いので、テントの近くで焚き火を楽しみたい人に向いています。冬用のスカートも付いています。
ワンタッチ型テント
「傘のようにパッと開く」イメージで買うと、失敗するかもしれないのがワンタッチ型テントです。ワンタッチ型には、大きく分けて2つのタイプがあります。
ワンタッチテントの2つのタイプ
①傘式(フレーム一体型)
フレームが生地とつながっていて、傘のように中心を押し上げて広げるタイプ。建てるのもたたむのも本当に簡単です。
②ポップアップ式(ワイヤー・グラスファイバー)
丸めて収納したフレームを解放すると、バネの力で一瞬で広がるタイプ。広げるのは一瞬ですが、たたむのにコツがいります。8の字にひねって丸める作業は、慣れないと何十分も格闘することになります。
部品点数は少ないのですが、ポップアップ式は「たたみ方」が実質の組み立て作業です。買ったら、家で一度たたむ練習をしてからキャンプに持って行ってください。たたみ方の動画を事前に見ておくのもおすすめです。
例:DOD ワンタッチテント(2人用)
・定員:最大2人
・サイズ:約230×150×高さ117cm
・重量:約3kg
・耐水圧:フライ・フロアとも1,500mm
ポップアップ式です。高さが117cmなので中では座って過ごす前提。ソロキャンプ、デイキャンプの休憩、子どもの遊び用に向いています。
ロッジ型テント
ファミリー向けというより、グループ・組織向けのテントです。家のような四角い形で、壁が垂直に立つため居住性は最強。長期滞在に最適なテントです。
ロッジ型の特徴
◎ 壁が垂直なので、隅までムダなく使える
◎ 天井が高く、中で立って着替えや料理ができる
△ とにかく重い(20kg前後のものも多い)
△ 設営に大人2人以上が必要。慣れも必要
「ロッジシェルター」は、そのままでは寝られません
下のogawa ロッジシェルターULは、名前のとおり「シェルター」です。床(フロア)がなく、インナーテントは別売。そのままでは虫や地面の湿気が入ってくるので、泊まるならインナーテントを追加する前提で考えてください。ペグとハンマーも付属していません。
例:ogawa ロッジシェルターUL
・総重量:約19kg(屋根フレームをアルミにして軽量化した「UL」モデル)
・収納サイズ:約92×52×36cm
・生地:ポリエステル75D、耐水圧1,800mm、難燃加工
・フロアなし(ライナーシート付属)、インナーテント・ペグ・ハンマーは別売
老舗ogawaの定番ロッジ型。リビング用のシェルターとして使い、寝るのはインナーテントやコットで、という使い方が中心です。
テント比較|5タイプを一覧でチェック
5つのタイプを、はじめてのキャンプで気になるポイントで比べました。★が多いほど優れています。
ドーム型|迷ったらこれ
設営:★★★/広さ:★★/雨:★★/価格:★★★
向いている人:はじめての人、ファミリー全般
ツールーム|雨とファミリーに強い
設営:★★/広さ:★★★/雨:★★★/価格:★★
向いている人:区画サイト中心のファミリー
ワンポール|見た目重視
設営:★★/広さ:★/雨:★/価格:★★
向いている人:ソロ〜夫婦、雰囲気を楽しみたい人
ワンタッチ|手軽さ重視
設営:★★★(撤収は★)/広さ:★/雨:★/価格:★★★
向いている人:ソロ、デイキャンプ、子どもの遊び用
ロッジ型|居住性は最強
設営:★/広さ:★★★/雨:★★★/価格:★
向いている人:グループ、長期滞在、上級者
失敗しないテントの選び方|4つのチェックポイント
① 広さは「マット幅60cm×人数」で判断
テントの「〇人用」という表記は、大人がぎゅうぎゅうに並んで寝られる人数のことが多く、荷物を置く余裕は入っていません。
📐 広さの計算方法
一般的なキャンプマットの幅は約60cm、長さは約180〜190cmです。
インナーの幅 ≧ 60cm × 寝る人数
インナーの奥行 ≧ 190cm 以上(身長+枕の分)
例)タフドーム3025のインナーは300×250cm。
4人なら60×4=240cm → 250cmの辺に並べてぴったり。奥行300cmなので、足元に荷物も置けます。
目安として「表記人数−1〜2人」で使うと、荷物を置いてもゆったり眠れます。
冒頭で「大きすぎは不要」と書きましたが、床面積だけは削らないのがコツです。削っていいのは天井の高さのほうです。
② 耐水圧は1,500mm以上が目安
耐水圧は、生地がどれだけの水の圧力に耐えられるかを表す数字です。
☔ 耐水圧の目安
・1,500mm:一般的なキャンプの雨なら大丈夫
・2,000mm:強めの雨でも安心
・フロア(床)は体重で水が押し込まれるので、フライより高い数字が理想
数字が高すぎると通気性が落ちて結露しやすくなります。キャンプ用なら1,500〜2,000mmで十分です。
雨漏りの原因は耐水圧よりも、縫い目の劣化やテントの下に水が流れ込むことのほうが多いです。設営場所は少し高いところを選び、グランドシートはテントの床からはみ出さないように敷いてください(はみ出すと雨水を受け止めて床下に流し込みます)。
③ 生地はポリエステルかTCか
ポリエステル
◎ 軽くて安い。雨に強く、濡れてもすぐ乾く
△ 火の粉で穴があく。夏は熱がこもりやすく、冬は結露しやすい
TC(ポリコットン)
◎ 火の粉に強い。夏は涼しく、結露しにくい。日差しを通しにくい
△ 重い。濡れると乾きにくく、生乾きで収納するとカビが出る
TCは耐水圧の数字が低く表示される(例:350mm)ことがありますが、綿が水を吸ってふくらみ、すき間をふさぐので、普通の雨なら問題なく使えます。ただし雨撤収のあとは、家で必ず広げて乾かしてください。
④ 重さと収納サイズ=車に積めるか
オートキャンプでも、テントは荷物の中でいちばん重くて大きい道具です。ファミリーテントは9〜20kg、収納サイズは長さ70〜90cmになります。
購入前に、車の荷室の幅・奥行きと、家の収納場所に入るかを確認しておきましょう。重いテントは設営・撤収のたびに体力を奪うので、「自分が一人で運べる重さか」も大事なポイントです。
はじめてのテントで失敗しないコツ
・買ったら一度、家の庭やデイキャンプで張ってみる(部品の欠品チェックにもなります)
・付属のペグは弱いことが多い。硬い地面のサイトなら鍛造ペグを用意
・夏はベンチレーションを全開。冬はスカート付きが暖かい
・テントの中で火器(ストーブ・炭)は使わない。一酸化炭素中毒の危険があります
・撤収時に濡れていたら、帰宅後すぐ広げて乾かす。カビと加水分解(ベタベタ)を防げます
テントの中で快適に眠れるかは、テントよりも寝袋とマットで決まります。あわせて準備してください → 寝袋(シュラフ)比較
よくある質問(FAQ)
Q. はじめてのテントはどのタイプがいいですか?
特にこだわりがなければドーム型がおすすめです。構造がシンプルで設営しやすく、種類が多くて価格も手ごろです。区画サイト中心のファミリーで、雨の日も快適に過ごしたいならツールームテントも有力です。
Q. 4人家族なら何人用のテントを選べばいいですか?
4〜5人用が目安です。テントの人数表記は大人がぎゅうぎゅうに寝る人数のことが多いので、表記人数から1〜2人引いて考えるとゆったり眠れます。マット幅約60cm×人数がインナーの幅に収まるかで確認してください。
Q. テントの耐水圧はどれくらい必要ですか?
1,500mm以上あれば一般的なキャンプの雨は大丈夫で、2,000mmあれば強めの雨でも安心です。床は体重で水が押し込まれるのでフライより高いのが理想です。高すぎると通気性が落ちて結露しやすくなるので、キャンプ用なら1,500〜2,000mmで十分です。
Q. ワンタッチテントは簡単ですか?
傘式は建てるのもたたむのも簡単です。ポップアップ式(ワイヤーやグラスファイバーのフレームを丸めて収納するタイプ)は広げるのは一瞬ですが、たたむのにコツがいります。購入したら家でたたむ練習をしてからキャンプに持って行くのがおすすめです。
Q. TC(ポリコットン)テントのメリット・デメリットは?
火の粉に強く、夏は涼しく結露しにくいのがメリットです。デメリットは重いことと、濡れると乾きにくく、生乾きで収納するとカビが出ることです。雨で撤収したら帰宅後に必ず広げて乾かしてください。
Q. ロッジシェルターだけで寝られますか?
シェルタータイプは床がなく、インナーテントが別売のものが多いので、そのままでは虫や地面の湿気が入ってきます。泊まるならインナーテントを追加するか、コットを使う前提で考えてください。購入前にフロアとインナーの有無を必ず確認しましょう。
Q. テントの中でストーブを使ってもいいですか?
おすすめしません。テントの中で燃焼器具を使うと、一酸化炭素中毒や火災の危険があります。多くのメーカーもテント内での火器使用を禁止しています。寒さ対策は寝袋とマット、湯たんぽなどで行ってください。